こんにちは、自家製ギーク主婦ブロガーあさかわだです。
味噌作り歴11年になりました。
ジップロック味噌・・・気になりませんか?
樽などの専用の容器を使わず、ジップ付きの保存袋で熟成させる味噌です。
ジップロック味噌が樽味噌と違うのはなんと言っても「簡単・便利」っていうこと。仕上がりも樽味噌に全く引けをとりません。
・・・というのは
そもそも味噌づくりの主役は、麹菌の作った酵素だからです。
我々人間にできることはそう多くはありません。(家庭で作る場合)
おいしい味噌を作るためにできること
- 質の良い原材料を選ぶ
- カビ対策をしてやること
このくらいです。笑
これさえすれば、季節と温度の移り変わりの中で、発酵が進んでいくのを待つだけなのです。
漬物樽であろうと、瓶であろうと、味噌は美味しくできあがります。
この記事で分かること
- ジップロック味噌の作り方
- 味噌の熟成・食べごろについて
- 味噌の保存方法
- 味噌の種類について
- ジップロック味噌と樽味噌のちがい
もくじ
ジップロック味噌の作り方
簡単・気楽・場所いらずなジップロック味噌の作り方です。
味噌の作り方
- 吸水させた大豆を煮る
- 米麹と塩を混ぜる(塩切り)
- 煮上がった大豆を潰す
- 大豆と塩切りした米麹を混ぜる
- ジップロックに詰める
- 熟成させる(発酵期間10ヶ月〜)
step
1材料と道具の準備
新物の大豆とお好みの塩、鮮度のいい米麹、おいしい水を手に入れたら、もうそこであなたの勝ち(笑)
材料
- 大豆 500g
- 米麹 500g
- 塩(精製塩ではない) 250g
- 水 2L以上
素材の味=味噌の味です。
ぶっちゃけ自家製味噌づくりでは、素材選びが1番頑張れるところかもしれない・・・。
鍋やざるの他にジップロック味噌作りに欠かせないものがこちらです。
必要な道具
- パストリーゼ(食品用アルコールスプレー)
- ジップ付き保存袋
- 食品用手袋
- 大きめの保存袋×2(あると便利)
ジップ付きの保存袋ならジップロックでなくても良いです。袋の大きさは、使用時に使い勝手の良いものでOK。
アルコールスプレーは効果持続性のものは使わないでください。
step
2大豆の浸水
大豆を洗います。
お米のように、水が綺麗になるまで洗います。
鍋に移し、用意した水を吸水させます。季節によって幅がありますが、16時間〜20時間くらいかかります。
吸水完了の目安
- 表面にシワが寄っていない
- つやつやしてふっくらした見た目
- 半分に割ると断面の色が均等(芯が無い)
- 重さが元の重さの2.2 〜2.4倍以上になっている
吸水が甘く、芯が残っていると炊きムラができると言われます。
乾燥大豆は、水を吸って乾燥時の2倍以上の大きさに膨れます。
step
2大豆を煮る
大豆を煮ます。
目安の時間としては、大鍋なら4〜8時間、圧力鍋なら加圧10分の自然放置です。
沸騰する頃、灰汁がもこもこ出てきます。取り除いてください。
大鍋水が少なくなったら足します。鍋底の方が焦げやすいので、時折かき混ぜてください。
圧力鍋鍋の容量によっては数回に分けて煮ます。T-falの6Lだと2回に分ける必要ありです。
ちなみに、自分は煮すぎてしまう傾向にありますが、発酵不良(腐敗等)が起きたことはまだないです。
煮上がりの目安
- 親指と小指で豆をはさみ潰し、軽い力で潰せるくらいの柔らかさ
- 量りにのせて人差し指で潰す。潰れた時の重さが500gくらい
step
3塩切り
【カビ対策】ここから先は、使う道具全てにパストリーゼの噴霧・食品用手袋の使用を徹底します
米麹と塩を混ぜ合わせます。これを「塩切り」と言います。大豆を冷ましている間に行います。
袋にパストリーゼを噴霧し、乾いてから米麹を入れて、バラします。
混ざればOK。袋を使わない場合、清潔なボール等を使ってください。
メモ
塩切りは、麹菌を死滅させます。味噌の発酵に必要なのは麹菌ではなく、麹菌が作った酵素なのです。
step
4煮上がった大豆を潰す
煮上がった大豆の水をしっかりと切ります。煮汁は種水としてコップ1杯程度取っておきます。
袋に入れて、綿棒で叩いたり、手で揉んだりして潰します。
フードプロセッサーやブレンダーなどの文明の機器を使ってもいいです。
step
5大豆と塩きり麹を混ぜる
潰した大豆と塩切り麹を混ぜ合わせます。大豆の温度が30℃以下になってから行います。
ぱさついてまとまらないようなら、種水を少しずつ加えてやわらかさを調整します。
やわらかさの目安
- 味噌をちぎった時の感触はパサつきあり
- ハンバーグのように、しっかりまとまる
- 水気は感じない
- 耳たぶくらいの固さと表現されることが多い
step
6保存袋に詰める
混ぜ終わったら、袋詰めします。必ず新しい袋をつかってください。
ジップロックの内側、ジップの部分に、まんべんなくパストリーゼを噴霧します。
きるだけ脱気しながら、小さいジップロックに詰めていきます。
ハンバーグのようにパンパンして味噌の空気抜きをしながら詰めます。丸い形にすれば味噌玉です。
味噌を入れる度にパンチで押し込み、脱気をします。
隅に空気が残りがちです。
なるべく空気が入らないようにするので、自ずとジップロックに入るだけ詰める感じになります。
メモ
味噌の表面が空気にふれるとカビが生えやすくなります。
味噌内部からはほとんど生えません。
味噌づくりはカビとの戦いです。多くのカビ菌は生育に酸素を必要とするので、空気がなければ増殖できません。
そのため、いかに脱気するかがカビを生やさないポイントになります。
step
710ヶ月以上熟成させる
袋詰めした混合物は、常温に置いて発酵・熟成させます。
置いておく場所は、直射日光の当たらない場所にします。
置く場所の例
- 床下の収納
- 流しの下
- 階段下収納やパントリー
- 玄関
- ガレージ
なぜ、常温なのか
- 発酵に関わる酵母や乳酸菌の活動に適した温度は30℃前後
- 雑菌の繁殖も30℃前後だと活発なので、一年を通して高温にならない場所が理想的
- 温度が低すぎると発酵が進まないので、冷蔵庫はNG。
基本は放置でいいのですが、カビ予防と発酵ムラ対策に次のようなことができます。
熟成中のひと手間
- 時々袋の上から揉みほぐす
- 空気と触れている部分を動かす
ジップロック味噌では天地返しは必要ないでしょう。
味噌作りの工程にある「天地返し」は、樽を変える事による酸素供給と発酵ムラ対策です。
step
8完成
ひと夏を超え、色味が濃くなったら味見をしてみます。
「美味しい・・・!」と思ったら完成です。
※熟成し過ぎですが、カビは生えていません
味噌の熟成と食べごろについて
味噌は時間をかけてゆっくりと熟成していきます。食べ頃は、味噌の色と味見で確認します。
味噌の色- 黄色(3ヶ月)
塩辛い、こなれてない もそもそ - 赤褐色(6ヶ月)
塩辛さがこなれてくる 尖ってる パサつき - 茶褐色(10ヶ月)
マイルド バランスがとれてくる つややか - 黒っぽい(2年〜)
独特の風味 好き嫌いが分かれそう ねっとり
※目安です。仕込み方や仕込み時期で大きく違います
だんだん色が濃くなってきます。
米麹の作った酵素によって、原料である大豆と米が分解されていきます。
また、酵母や乳酸菌が味噌らしい色や香りを作ります。
できあがった味噌の保存方法は?
直射日光があたらない冷暗所なら、傷みの心配はありません。
ただし、発酵は進むので、味は変化していきます。
発酵を進ませたくない場合は、冷蔵保存がおすすめです。
よい素材を手に入れる方法
肝心なのは素材だけど、品種も産地も色々試したいですよね。道の駅、産直、食品ECなど色んな所で買うことができます。
なので、私が選ぶ時のポイントをシェアします。
豆はなるべく新しいものを選ぶ
茹でたての豆を食べたらよく分かります。
豆は乾物なので一年を通して買えますが、新豆がやっぱり美味しい( ・∀・)イイ!!
米麹の選び方はライフスタイルに合わせて
米麹には、乾燥麹と生麹があります。
生麹は発酵が早く、美味しい味噌ができると言われます。しかし、保存期間が冷蔵で1週間、基本ネット通販です。
乾燥麹は、保存期間が長いので、味噌作りが延期された場合にも安心。乾燥している分、水分を吸うので、種水の用意をお忘れなく。
余ったら塩麹や醤油麹が楽しめます。塩麹があれば化学調味料は台所に必要なくなります。
塩は精製塩以外で
ミネラル分が除去されているので精製塩・食塩は味噌に向きません。
味噌の会・会長(通称:味噌親分)は、「精製塩以外ならなんでもいいぞ」と言っています。
私はこれが好きです。
食べる量だけ仕込むから、ちょっとお高い素材も選べるようになりました。
準備を楽にするために
セットの購入は材料の準備がいらないので便利だと思います。
|
味噌の種類について知ろう
愛読書発酵食品学/小泉武夫を参考に、分類についてまとめてみました。
原料で分類使用する「麹の種類」によって、分類されています。
米味噌 | 麦味噌 | 豆味噌 |
米麹使用 | 麦麹使用 | 大豆で作った味噌玉に 麹菌を育てる |
江戸甘・信州・白味噌 | 九州麦味噌 | 八丁味噌 |
米味噌は、「味」によって更に分類できます。大豆の量に対しての米麹の割合が大きいと、味噌は甘くなります。
甘味噌 | 甘口味噌 | 辛口味噌 |
120〜130% | 100〜120% | 50〜100% |
白味噌・江戸甘味噌 | 相白味噌・御前味噌 | 信州味噌・北海道味噌・越後みそ |
※大豆の重さに対しての使用米麹の重さを%で表しています
味噌の色は、主に醸造期間によって違いが出ます。大豆の煮方や冷まし方でも着色度は変わります。
ちなみに味噌の色は発酵によるもではありません。アミノ酸と糖による化学変化、メイラード反応によるものです。
白味噌 | 淡色味噌 | 赤味噌 |
5〜20日 | 20日〜30日(甘口) 2〜3ヶ月(辛口) 1〜3ヶ月(麦) |
5〜20日(甘) 3〜6ヶ月(甘口) 3〜12ヶ月(辛口・麦) |
※醸造期間を記載しています
今回ご紹介しているレシピだと・・・
大豆と麹が同量、熟成は10ヶ月以上を想定しているので、「辛口味噌」ということですね。
白味噌なら、3週間で熟成完了。あっというまに食べられます。
白みそは塩気が薄いので、そのままパクパク食べられる。こちらもおすすめです。
こちらもCHECK
-
白みその作り方【赤味噌づくりとの違い4つ、レシピの広がりは∞】
こんにちは、自家製ギーク主婦ブロガーあさかわだです。 何回か味噌作りをしてみると「他の味噌も作ってみたい欲」が出てきますよね。 今回シェアする白みその作り方は、赤味噌づくりとほぼ同じ。違うのは原料の比 ...
続きを見る
ジップロック味噌と樽味噌の違い
ジップロック味噌と樽味噌、実は作り方は一緒です。
保存容器が違うことで、保存の仕方やお手入れ、仕込みやすい量に違いがあります。
樽味噌はこんな感じ
一回で多量を仕込めます。量に合わせた樽を選びます。
味噌玉を投げ入れます。(エア抜き)
表面に塩とラップをします。
重しをかけます
多量を仕込めるけど、作業が大変です。
みんなで作業するのは楽しいですが、自由さに欠けます。
多量に作れるけど、味噌樽から保存容器に移す度にカビ対策するので面倒。
一長一短です。
まとめ ジップロック味噌のすすめ
初めて味噌を作る、ちょっとだけ作りたい方には、とってもおすすめな味噌の作り方です。
- 大きな樽と重しを買わなくていい
- 大きな樽を置く場所に困らない
- カビ対策が楽
- 少量で作るので、作業が全体的に簡易
- 小袋で保存するので、使うとき便利
秋口から新豆が出回ります。多めに購入して「味噌」「醤油」を仕込んでみませんか?
こちらもCHECK
-
家庭で作る!自家製醤油の作り方【小麦粉を使って・発酵器はなし】
※大幅リライトしました。元記事(自家製醤油の作り方と失敗を避けるポイントまとめ) こんにちは、自家製ギーク主婦あさかわだです。 この記事では「家庭での醤油の作り方」を本気でシェアします。 簡単な流れ ...
続きを見る