こんにちは、自家製ギークブロガーあさかわだです。
この記事は、梅干しづくりにおける、失敗体験と対策、調べたことをまとめた「梅干し失敗帳」です。
年1の作業だと、全然覚えない!なので毎回何かしらの失敗や勘違いをします。
毎年美味しくできるけど、その過程は決して順調ではないのです。
こんな失敗をしたことない?
なんとかなった?
原因はなんだ?
どうすればいいんだー(泣)
自分のような梅干しビギナーさんが、失敗を避けられるように。失敗後も希望をもてるように・・・。
ネット上に散らばる、梅干しのベテラン・プロのアドバイスとこだわりを収集しました。
自分の失敗例と合わせてシェアしたいと思います。
この記事で分かること
- 基本の梅干しの作り方
- 梅干しづくりでよくある失敗
- 失敗の原因と対策
- 失敗した場合、どんな梅干しになるのか
- プロやベテランの方のアドバイスや情報
もくじ
基本的な梅干しの作り方
おそらくこのページをご覧の皆様は、梅干しの漬け方をご存知だと思います。なのでざっくりした説明だけ。
6月中旬から7月上旬
梅の下処理 洗う・軸をとる・乾かす
梅の塩漬け 焼酎を噴霧・塩と梅を樽に入れる・重しをかける
梅酢を確認する 梅酢が上がれば一安心
紫蘇漬けにする 赤紫蘇を塩もみ・梅酢と合わせる
赤梅酢と紫蘇を樽に戻す
梅雨明け・夏の土用
土用干し 梅雨明け、天気の良い日に3日干す
※干し方は色々
完成 残った梅酢と紫蘇でゆかり・紅生姜等を作る
大体、こんな感じですよね。
漬けに関する失敗
漬け方のみならず、梅を漬けるまでにも失敗ってありました。
梅が傷んだ
![](https://hokkori-meshi.com/wp-content/uploads/2019/07/DSCF1509-e1625207456642-300x287.jpg)
もっと、濃いまだらな茶色になったこともある
青みがかっている梅が入っていたので、追熟するために数日置いた。
バタバタしていて梅を観察せずに放置。数日後見てみると、茶色く変色した梅が・・・。(毎年)
梅は水に濡れると茶色く変色します。
ぶつかったり、圧がかかったりした部分は、傷みや変色が出ます。
濃く変色した梅は、要するに傷んでいます。
傷んだ梅を一緒に漬けるのはリスクが高いです。
梅が発酵し、内部にガスが発生したり、梅酢が泡立ったり濁ったりする可能性があります。
梅シロップは発酵作用を利用するので、茶色くなった梅でもOKですよ。
紫蘇の塩もみをしても、水気が出ない
![](https://hokkori-meshi.com/wp-content/uploads/2019/07/DSCF0031-300x225.jpg)
これは良い紫蘇画
使用したのは、しおしおに枯れかけ赤紫蘇でした。 塩でもみ洗いしても、赤梅酢をかけても一向にシオシオカラカラ。
通常は白梅酢をかけると綺麗な赤梅酢ができるのに、ドロドロ黒い不気味な液体に!
半分ほどの梅酢を無駄にしてしまった・・・。(2017)
乾燥したり枯れかけた紫蘇では、きれいな赤梅酢は作れないようです。
梅酢が足りない
紫蘇漬けの工程で、梅酢が足りない。(前述のシオシオ梅で浪費したため)
梅が空気に触れていしまっている状態。(2017)
空気に触れている部分は、カビの発生リスクが高まります。 放っておくと漬かりムラも出てくるでしょう。
梅酢は梅や紫蘇をカビから守る役割なのです。
私はこの時、一日一回くらい瓶を上下に返して梅酢を行き渡らせるようにしました。
結果、カビも生えず大きな問題は発生しなかったのです。
調べてみると、この方法はちょっと危険。梅の皮が破けてしまったりする可能性があるようです。
特に、皮の薄い良い梅はデリケートですもんね。
![](https://hokkori-meshi.com/wp-content/uploads/2019/07/DSCF1508-300x225.jpg)
取り寄せた木熟梅は,いかにも皮が薄い!って触感。この梅だったら破けてたに違いない
重しを乗せずに紫蘇漬けしてしまった
紫蘇漬けの際、重しを外すという暴挙に出る。
保存瓶に梅(と紫蘇と赤梅酢)を入れ、漬けた気になる。 (2017)
紫蘇漬けの際の重しは、梅と紫蘇が空気に触れないように押さえるためにかけます。
梅酢が多く、梅と紫蘇が空気に触れていないのであれば、重しは必要ありません。
カビ・発酵系の失敗
全部だめになっちゃった!っていうことはありませんが、何個かの梅をだめにしちゃったことはあります。
軽微だと気にも止めないけれど、大変な思いをしないように早めに対処できると安心です。
フェーズ1 カビ
梅酢に白いカビっぽいものが浮いています(涙)
カビをお玉ですくい取ります。
その後、パストリーゼを容器に噴霧し、ラップ等で雑菌の混入を予防します。
カビの予防には、滅菌と梅酢を早く上げることが有効です。
梅酢に覆われていれば、梅自体にカビは生えません。梅酢を早く上げるのがポイントです。
また、容器の側面や重し、押し蓋、漬物袋など、使用する道具の滅菌ができれば、梅酢にカビが浮くこともないでしょう。
このフェーズなら対処も簡単ですね。毎日の観察で、異変を察知する方が楽そうです。
カビの予防方法
- 容器、道具にはパストリーゼを満遍なく噴霧する
- 作業には食品グローブを使う
- 減塩にしない(塩分は18〜20%)
- 梅酢がなかなか上がらない場合は、重しを増やす
- 観察を怠らない
- 梅酢が上がりやすい2kg以上で漬ける
- 大きめの梅を使う
- 熟度の高い梅を使う
フェーズ2 発酵
発酵という言葉には、なんとなく良いイメージがありますか?でも、要するに腐敗です。
梅干し漬けは発酵食品ではなく塩漬けなんですよ。
コレ何?どうするの?
- 梅酢が濁ってしまいました、変な匂いもします
- 梅酢に泡がたっています、ぬめりがあるみたいです
- 梅が茶色くなってしまいました
![](https://hokkori-meshi.com/wp-content/uploads/2017/08/4edc8d491674ddf75dd204e8e6d45b02-2-300x169.jpeg)
梅の変色が少し見られてた状態。泡が見えるけど、異臭は無かった
発酵しています。
状態によっては、素早い処置が必要です。
梅酢がやられてしまうと、処置は早いほうが良いでしょう。異臭段階までいくと、廃棄の可能性も出てくるかも。
梅酢の救済処置
- カビや膜をすくい取る
- 梅酢を濾し、ホーロー鍋で火入れする
- 灰汁を丁寧にとる
- 冷ましてから梅を戻す
※梅も焼酎で洗う
漬けているのに梅がパンパンに膨れている場合は、梅の内部にガスが溜まっています。(発酵による)
破れのある梅は、梅酢の傷みにつながります。
変色した梅はこれから発酵や傷みに進んでいく可能性があるので、要観察・または取り出してしまいます。
![](https://hokkori-meshi.com/wp-content/uploads/2017/08/4edc8d491674ddf75dd204e8e6d45b02-2-300x169.jpeg)
写真中頃に変色梅あり。要観察で異臭はなし
梅の救済処置
- 多数の梅が発酵して膨れているようだったら、天日干しで発酵どめする(梅酢の火入れも)
- 少数だったら、膨れ梅を取り出す(食べられないことは無い)
土用干しの際に、パンパンに膨れた梅を見つけた事があります。でもそのまま干しちゃいました。味はどうだったかなあ・・
膨れ梅が紹介されています
微発酵梅は、初心者は異変に気づかない場合も多いみたいです。
![](https://hokkori-meshi.com/wp-content/uploads/2017/09/bioremamagao_320-2-min-300x300.png)
干しに関する失敗
土用干しの時期を逃し、天気に恵まれない
ジリジリと焼けるような日差しに干す目的はこちらです。 ①殺菌によるカビ予防 必ずしも土用に干す必要もありません。梅の乾き具合を見て、干す期間を調整すればOK。
②発色がよくなる
③梅の水分を減らし、味を凝縮させる
また、梅酢に戻さない、夜露にあてるなど、干し方にも色々あります。
どれも、必ずこうでなければいけない!というものではないので安心してください。
出来上がるまで分からなかった失敗
カビや異臭のように気づくものもあれば、出来上がりまで気づかない失敗もありました。
何十年も梅干しを漬けている方でも、うまく漬からない梅は5%くらいあるみたいです。
シワシワ梅
原因がはっきりしていません。
写真はシワシワ記録NO.1の梅です。これは取り寄せの木熟梅でとても柔らかかった。
にも関わらず、梅の2倍以上の重しをかけたのが原因でしょうか。
こんなにひしゃげているのに、実も皮も柔らかくビックリしたのを覚えています。
固い梅
病気など、もともとの梅の実の都合で固い梅干しが出来上がることがあるそうです。
写真のように、見るからに固そうな梅は、触感が悪く美味しく有りません。今の所健康被害の情報は得ていません。
触ってみてしこりを感じたり、斑点が付いていたり、異様に固い梅干しが現れたら、それは梅のポテンシャルによるもの・・・と諦めも肝心です。
しこりがある部分を取り除いて「たたき梅」にして食べるなど、工夫すれば食せるようです。干し梅のように舐めているという方も。
この梅のしこりは「ヤニ」なんだそうです。
https://youtu.be/i9eDlVoA_6U
まとめ 小さな失敗は失敗のうちに入らない!大きな失敗をなんとしても防ぐ!
「日数や重し、紫蘇の量を間違えちゃった!」なんていうのは小さな失敗です。
失敗というか、数多あるレシピの一つの一部に外れただけとも言えます。梅酢に戻す人もいれば、戻さない人もいる。そんな感じです。
避けなければいけない大きな失敗「カビ」と「発酵」を、毎日の観察とパストリーゼでなんとしても防ぎましょう!
梅干しのカビと発酵を防ぐ方法
- 傷みの強い梅は使わない
- 塩重量は梅の18〜20%にする
- 使用する容器、道具、食品手袋にはパストリーゼを盛大に噴霧する
- 梅酢を早く上げる(塩・重さ・熟度が大切)
- よく観察し、カビや発酵の兆しが見られたらすぐ対処する