こんにちは、自家製ギーク主婦ブロガーあさかわだです。
何回か味噌作りをしてみると「他の味噌も作ってみたい欲」が出てきますよね。
今回シェアする白みその作り方は、赤味噌づくりとほぼ同じ。違うのは原料の比率と下処理・醸造期間です。
赤味噌づくりとの違い
- 大豆の皮をむく
- 米麹の量が赤味噌の2.5倍
- 塩分が少ない
- 熟成期間が3週間ほど
住んでいる土地柄、白みそには全く縁が無かったのですが・・・白みそ、大好きになりました。
味噌汁もいいですが、そのまま食べて、ただただ美味しい。
優しい甘みと、マイルドな塩気が良いつまみです。
この記事では、ヨーグルティアなどの保温器を使用せずに作った手前白みそについてシェアしていきたいと思います。
この記事で分かること
- 白みその作り方(保温器不使用)
- 自家製白みその楽しみ方
- 白みそとはどんな味噌か
- 有名な白みそについて
もくじ
自家製白みそを作ってみよう
簡単・気楽・場所いらずな保存袋で熟成させる白味噌の作り方です。
白味噌の作り方
- 吸水させた大豆の皮を剥く
- 大豆を煮る
- 米麹を粉砕する
- 米麹と塩を混ぜる(塩切り)
- 大豆を潰す
- 大豆と塩切りした米麹を混ぜる
- ジップロックに詰める
- 熟成させる(醸造期間2週間〜)
材料と道具の準備
白みそも赤味噌も材料は同じ。違いは米麹と塩の量!なんと、大豆の2倍量の米麹を使います。
材料
- 大豆 500g
- 米麹 1000g〜1500g
- 塩(精製塩ではない) 100g
- 水 2L以上
米の主成分はでんぷん。でんぷんは麹菌の作るアミラーゼという消化酵素でブドウ糖へと分解されていきます。
赤味噌の場合、長い醸造期間中に、酵母や乳酸菌がこのブドウ糖を消費します。
鍋やざるの他にジップロック味噌作りに欠かせないものがこちらです。
必要な道具
- パストリーゼ(食品用アルコールスプレー)
- ジップ付き保存袋
- 食品用手袋
- 大きめの保存袋×2(あると便利)
保存袋で作らず、味噌樽・タッパーなどでも勿論OK。
袋味噌は観察にはもってこいですが、熟成に使う入れ物は何でも大丈夫ですよ。
可愛いが我が家には縁がない。
白みそづくり 工程
赤味噌とほぼ同じ作り方なので、共通する細かい説明は省きます。味噌作りの記事をご参照ください。
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参考ジップロックで簡単!自家製味噌の作り方【大豆500g使用】
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1大豆の浸水
大豆を洗います。
鍋に移し、用意した水を吸水させます。
季節によって幅がありますが、16時間〜20時間くらいかかります。
吸水完了の目安
- 表面にシワが寄っていない
- つやつやしてふっくらした見た目
- 半分に割ると断面の色が均等(芯が無い)
- 重さが元の重さの2.2 〜2.4倍以上になっている
- 指で転がしたら皮が剥ける
いとも簡単に皮が剥けるわけでは無いけれど、つまんで指で転がしていたら皮が剥けるようになりました。
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2大豆の皮を剥く
大豆の皮を一粒ずつ剥いていきます。これは赤味噌には無い工程です。正直、大変です。
お米を研ぐようにすると、簡単に皮が剥けるという記述を見たので、勿論やってみました。
残念ながら48時間浸水した大豆でも剥けなかったので、一粒一粒剥くしかないと諦めております。
大豆は皮を剥く時に半分に割れます。割れてOK。
皮を取ることで短期間でタンパク質が分解されていきます。また、着色を防ぐ目的もあります。
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3大豆を煮る
大豆を煮ます。
煮る時間は、大鍋で1時間強かかりました。
圧力鍋なら加圧10分の自然放置でいいと思います。
半分に割れてるし、皮もないので、赤味噌作成の丸大豆より早く火が通ります。
水が少なくなったら足します。鍋底の方が焦げやすいので、時折かき混ぜてください。
煮上がりの目安は赤味噌と同じにしました。
煮上がりの目安
- 親指と小指で豆をはさみ潰し、軽い力で潰せるくらいの柔らかさ
- 量りにのせて人差し指で潰す。潰れた時の重さが500gくらい
煮汁は種水としてコップ1杯程度取っておきます。
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4米麹を粉砕・塩切
【カビ対策】ここから先は、使う道具全てにパストリーゼの噴霧・食品用手袋の使用を徹底します
米麹をフードプロセッサーで細かくします。熟成期間が短いので、米粒が残らないように予め細かくするんですね。
自家製の生米麹を使用しました。生でも硬くて、なかなか粉砕されませんでした。
乾燥米麹を使用する時は、ぬるま湯で戻して使うことをおすすめします。
参考
乾燥麹を生麹の風味に! 乾燥麹の戻し方/丸ごと小泉武夫マガジン
米麹と塩を混ぜ合わせます。塩切りです。
袋に米麹と塩を入れて振り混ぜます。
混ざればOK。袋を使わない場合、清潔なボール等を使ってください。
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5煮上がった大豆を潰す
袋に入れて、綿棒で叩いたり、手で揉んだりして潰します。
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6大豆と塩きり麹を混ぜる
潰した大豆と塩切り麹を混ぜ合わせます。
大豆の温度が30℃以下になってから行います。
ぱさついてまとまらないようなら、種水を少しずつ加えてやわらかさを調整します。
やわらかさの目安
- 全然ぱさつかない
- 市販の味噌の固さより少しかたい
- 赤味噌づくりよりは水気があっていい
赤味噌は長期醸造なので、水が上がってきます。たまり醤油も楽しめるくらいウェッティ。
しかし、白みそは3週間ほどで完成してしまうからか、赤味噌ほどは固さが変わりませんでした。
多少柔らかくはなりますが、仕込み時に味噌に近い柔らかさにしておく必要があると思います。
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7保存袋に詰める
袋詰めします。
ジップロックの内側、ジップの部分に、まんべんなくパストリーゼを噴霧します。
空気がなるべく入らないようにしますが、熟成期間はたったの3週間。たまに揉めばカビは心配ないだろうと思います。
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72〜3週間熟成させる
常温に置いて熟成させます。
直射日光の当たらない場所に置くようにします。
なぜ、保温器を使うレシピが多いのか
白みそは菌による発酵作用よりも、麹菌が生成した酵素による分解作用を利用して醸造されています。
酵素が働きやすいのは50度前後。
この温度で管理をすると、糖化・分解が促進され、短期間で醸造でき、着色も抑えられるという理屈です。
うちにはどちらも無いので、ジップロック袋を愛用しているわけです。物、なるべく買いたくない派。
熟成中のひと手間
- 時々袋の上から揉みほぐす
- 空気と触れている部分を動かす
- 時々ガス抜きをする
揉むと柔らかい味噌ができます。
樽味噌なら置きっぱなしだけど、袋味噌は観察しつつ揉みつつ。
ガスが発生するのか、脱気したはずの袋が膨れていることがありました。空気はなるべく追い出します。
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8完成
匂いが変わってきます。「美味しい・・・!」と思ったら完成!
よりなめらかで艷やかに仕上げる場合は、擦り下ろしたりフードプロセッサーにかけたりします。
2週間で白みそが完成!
出来上がったら早速いただきましょう!日に日に味が変わると聞いて、毎日使って味を確かめています。
お味はいかに?!
なにこれ、味噌じゃない!う・・・・美味い!
注)いつもは辛口の米味噌を食べています。
味噌なのに、甘い。甘旨い。米の甘さであって、お菓子の甘さじゃない。
そして発酵には期待していなかったけど、発酵食品特有の旨味があると思う!
残念ながら米粒がまだ残っておりました。口に残りはしないけれど、味噌汁だったら濾し取った方が良いな。
保存の方法
白みその保存については、白味噌専門の九重味噌製造さんに学ぶと次のとおりです。
メモ
- 白みそは保存食ではない
- 冷蔵保存が基本
- 空気に触れさせない
- 冷凍保存がおすすめ
白みそは温度の影響を受けやすいので、常温だと変色やカビの心配があります。
赤味噌は塩分が多く保存食として認知されていますが・・・・白みそは塩が少ないで保存は冷蔵がマスト。
冷凍保存しても、完全に凍らないのでスプーンで使う分だけ解凍できるとのこと。
考察 もっと美味しく白みそを作るなら
今回の白みそづくりを振り返ります。次回はますます美味しい白みそを、少し簡単に作りたい!
白みそメモ
- 米麹は新鮮な生麹を使う(米粒残り防止)
乾燥麹を使うならお湯戻しする - 今回は入れなかったが、種水を少し入れる(滑らかさアップ)
- 50度〜60度で温度管理して醸造する(酵素活性化)
自家製白みそで料理してみよう
できた白みそは、手前味噌ですがこんな感じ。
- コクがある
- 塩気が強くない
- 自然な甘みと旨味
味付けは勿論、旨味の補強にも活躍してくれました。
ちょっと旨味が物足りない時の「ちょい足し粉チーズ」のようにも使っています。
茹で野菜の白味噌和え
和えるだけ!
白みそのグラタン
簡単な流れ
※リンクで作り方記載の別記事に飛びます
白みそハンバーグ
これ、大ヒット。塩麹ハンバーグ以上にコクがあって好評でした。
そして、塩麹以上に焦げやすい印象。
そのまま(※コレが一番美味しい)
そのままが、とても美味しい。塩気が強くないので、つい食べすぎてしまうかも。
野菜につけてもいい。チーズのようにクラッカーに乗せても良いな。
白みそについて
こんなに美味しいものだとなったら、白みそについてもっと知りたくなるってもんです。
白みそってどんな味噌
味噌は色で分類すると「白」「淡色」「赤」の3つに分けられます。
ここまで、色での分類した場合の「白い味噌」全般について「白みそ」と書いてきました。
白みそってこんな味噌
麹の種類:米麹(米味噌)
米麹の割合:150%〜300%(大豆重量を100%とした時)
醸造期間:5日〜20日
色の分類:白味噌
塩分:5から7%(甘味噌)
白みそは醸造期間が短く、米麹の割合大きい甘味噌で米味噌ってことになりますね。
ちなみに、比較するために仙台味噌はこんな感じ。
仙台味噌ってこんな味噌
麹の種類:米麹(米味噌)
米麹の割合:50%〜100%(大豆重量を100%とした時)
醸造期間:3〜12ヶ月
色の分類:赤味噌
塩分:11から13%(辛口味噌)
大豆の割合が大きい辛口味噌で米味噌です。
有名な白みそを見てみよう
白みその有名どころは次の3つ。どれも聞いたことはありますね。とくに西京漬けは北海道でも売ってる。
- 関西白味噌(西京味噌)
- 府中味噌
- 讃岐味噌
関西白味噌
京都の白みそです。
東京に対して、京都が西京と言われた昔。京都の白みそを総じて「西京味噌」「白味噌」と呼んでいたそう。
現代よく耳にする「西京味噌」は、京都府味噌工業協同組合によると次のように定義づけられています。
京都府味噌工業協同組合に所属する企業が、同組合の認定する原料を使用し、京都府内で生産し、同組合の品質認定を受けた低塩甘口の白みそ
九重味噌製造
※Amazon楽天の出品はない模様
府中味噌
広島の府中市で作られてきた味噌で、白だけでなく中みそ(米)・赤味噌(麦)など沢山の種類があります。
府中味噌を代表するのが「白みそ」で、京都の白味噌よりも長い歴史があると書かれています。
讃岐味噌
香川県の味噌で、第二次世界大戦後に作られ始めた比較的新しい味噌です。
透き通るようなクリーム色が特徴。
信州味噌
長野県を中心に生産される淡色・辛口の米味噌です。
色の分類的には淡色味噌ですが、色が白っぽいので「信州白味噌」という呼ばれることがあるそう。
関東大震災後、首都圏の味噌市場でブイブイ言わせ、今では全国シェアの5割が信州味噌になっているそうです。
ハナマルキやマルコメなど大手味噌メーカーも長野発祥。
甘味噌ではないので、この記事で言うところの「白みそ」ではないです。
まとめ 大豆の皮剥き以外は白みそづくりには良いことしか無い
白みそを殆ど食べたことがない自分でも、大変楽しめるお味噌ができました。
- コク・旨味・甘みが特徴
- 大豆は皮を剥いて使う
- 米麹を粉砕して使う
- 3週間でできる
- 塩分が低い
- 味付けにも旨味の補強にも便利
秋口から新豆が出回ります。多めに購入して「味噌」「醤油」を仕込んでみませんか?
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