消費量が多いものこそ、だんだん「安く自分で作れないかな」と思い始めます。鶏ハム大好き我が家に欠かせない「塩麹」もその一つ。普段食べているお米と塩だけで作れるのなら、コスパは最強。試作段階ですが、記録としてブログに残すことにしました。
もくじ
米麹からの塩麹の作り方
まずは市販の乾燥米麹に頼らず、自分で米麹を作ります。乾燥米こうじはまあまあ良い値段しますからね。実は簡易に、しかも鍋ひとつで米麹を作る方法があります。
そして、出来上がった簡易米麹に塩を加えて発酵させるという流れです。
問題は、乾燥米麹と簡易米麹は水分量がまるっきり違うこと。簡易米麹は生麹の上、米を蒸さずに炊いて作るので水分が多いのです。
塩と水の量の調整が、その時の簡易米麹の水分量によって違ってくるので、加える塩量の調整が難しいのです。私も中村さんを見習ってトライ&エラーで研究していきたいと思います。
※因みに、オトコ中村さんは米麹の麹菌起こしまで成功されています。成功までの道のりがシリーズになっており、面白いです。読み物としても、米麹の話としても!
材料
◯簡易米麹の材料◯
- 米 3合
- 水 (3合+100ml)×0.6=384 384ml
- 長白菌(米麹の菌)3g使用(オトコ中村さんは米の0.1%〜0.3%使用)
麹菌はこちらを使っています。
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菌が多いと失敗しにくいので私はいつも多めにしています。今回は0.6%
◯今回の簡易米麹を使った塩麹の材料◯
- 家庭用米麹 678g
- 塩 生麹100gに対して30gという情報を元に、203g使用
売っている米生麹よりももっと水々しいので、塩の量はどうなんだ?と不安。
作り方
簡易米麹さえ出来てしまえば、あとは通常の塩麹の作り方と一緒です。
簡易米麹の作り方から記録します。
米を洗って、浸水する
いつも食べているお米を洗って、通常の6割の水に30分程度浸水させます。浸水完了の目安は米が半透明から乳白色になること。しっかり水を吸っていれば、炊き方を間違えても芯が残ることはあまりありません。
今回の米はシーズンラストの米で、通常だと3合+100mlの水で炊いています。なので、今回はも384mlということになります。
炊いて蒸らす
- 中火で沸騰させます。蓋を開けずに、ボコボコと音がなったり湯気が上がってきたら沸騰の合図です。
- 弱火にします。ポッポッポと弱く音が聞こえます。10分このままです。
- 蓋を開けて様子をみます。水が無くなっていればOK。蓋を閉めます。まだ水が残っていたら2分くらい延長します。
- 蓋を開けた時に逃げた熱を補う気持ちで、10秒程中火にします。
- 火を止めます。10分そのまま蓋を開けずに蒸らします。
炊けたら、ほっくりかえします。
食べられるけど、やや硬いなあ。という炊き加減になりました。ご飯は冷まします。
この後麹菌を植えますが、ご飯が熱いと菌が死んでしまうのです。30度以下に冷ましました。というか、放置していただけです。
麹菌を植え付ける
冷めたご飯に麹菌をふりかけます。出来るだけまんべんなく、広範囲にかかるようにしたいので、味噌溶かしを使いました。画像がないのでイメージはこちら↓
清潔なしゃもじで麹菌と米を合わせます。なるべく米粒を傷めつけないようなイメージで行いました。
手を擦るようにして麹菌を擦り混むとより万遍なく菌が行き渡ります。
が、私は手に付いているであろう菌も擦りこむような気がして、なんとなく気が気ではないので、しゃもじだけで混ぜました。
保温する
時間は適当で保温しています。各ステージに半日程度かかっているように思います。
- 菌が発熱し始めるまでは、毛布や電気毛布をまいて窓際で温めてあげる。時間はあまり気にしない。オーブンの発酵機能の方が簡単。
- 菌が発熱し始める。麹菌の匂いがしたり、手をかざしてほんわか暖かい匂いがする。
- 混ぜる(酸素補給)
- また、温める。
- 麹菌がみっしりついていれば完成
鍋の蓋は少しずらして開けておきます。酸素がないと菌が呼吸できないからです。また、夜間は窓際の方が冷えるので、電気毛布かオーブンの発酵機能40度を使用します。
▼保温の時間は正確にはこちら▼
- 30度で12時間〜20時間
- まだ、発熱していなくても一旦混ぜる
- 40度で12時間〜20時間、最中に麹が発熱し始める。
なんとなく、同じような流れにはなっているので良しとします。
もこもこふわふわの麹が米にびっしりつきました。
麹の香りがします。これで、出麹!
塩と合わせる
出来上がった麹が678gでしたので、その30%の塩と混ぜました。塩は瀬戸の粗塩です。
水を加える
米麹がうっすら隠れるくらいの水を入れました。そういう記述をどこかのページで見たからです。
しかし今回の家庭用米麹においては水気が多いようです。時間が経つと米麹が自然ととろとろしてくるのですが、その時には容器の下から1センチくらいに水が溜まっていました。初めは少なめの水をいれて、吸水した頃に足して調整する方がよいです。
※2020/10/27追記
水を入れなくても良い場合もありました。塩を合わせてから数日たっても、米の状態が変わらない場合、少し足すようになりました。
室温において発酵させる
気温にもよりますが、10日〜14日くらい常温に置いておきます。気が向いたらかき混ぜます。1日1回かき混ぜると、発酵が均一になるという情報もあります。
私は殆ど混ぜません、忘れます。
できあがりの様子
◯10日後◯
http://asakawada67.livedoor.blog/archives/20348155.html
なかなか、発酵が進まず。余剰の水も吸水されることなく、混ぜても下に分離しがち。
試しに一度鶏ハムを作ってみるも、麹臭さが鼻につきました。まだケツの青い麹です。
乾燥米麹(市販200g)を追加し、麹に対しての水分量を適切にすることに。塩分はそのまま。
◯乾燥麹投入後 14日目◯
市販の米麹を200g追加しておよそ2週間常温放置しました。ほぼ混ぜませんでした。時々蓋を締めたままタッパーを振った程度です。
無事にいつもの塩麹らしくなりました。
早速鶏胸のお鍋にしました。香りの麹臭さも消えましたし、いつもどおり柔らかです。
なんちゃって鶏ガラパワーも健在で、鍋の味付けは煮汁(鶏ガラスープの代替になる)と、ごま油、にんにくだけで激ウマ。好みで味醂や醤油を足しても良いと思います。
▼なんちゃって鶏ガラスープについてはこちら▼
置き換えしたい度
麹って結構いい値段しますよね。確かに麹の出来は発酵食品の味に大きく影響しますが、塩麹は日常良く使う調味料だし、お安くなるのは大変嬉しい。
コスパ
出来上がり量 800gくらい
主な材料
- 米3合 100円くらい (米1合が35円として)
- 塩 200g 130円くらい (1kg650円として)
- 麹菌 3g 88円くらい (20g 584円として)
市販品 800gでおよそ1000円くらい
出来上がり量が800gで310円くらい
コスパ的置き換えしたい度 ★★★★★
今回は水分量調整の為に、市販品200gを追加投入したので+250円。それでもお安い。
手間
簡易米麹なら、手間も気配りもさほど必要ありません。
蒸し米からの麹造りをすると、温度管理やすり合わせ等に手間はかかります。
手間的置き換えしたい度 ★★★★★
安全・安心
◯原材料・化学調味料・添加物について◯
市販のものも添加物や化学調味料は入っていません。腐敗の心配が少ないからでしょう。手作りで嬉しいのは、どこのどんなお米を使うかを選べることです。私はもちろん道産米。
◯賞味期限・食中毒について◯
塩分濃度が求められない(いちいち求めていられない)ことが気になります。
まあ、腐敗や食中毒は大丈夫かなと私は思いますが・・・あくまでも個人的な見解です。
安全・安心的置き換えしたい度 ★★★☆☆
家庭用米麹からの塩麹作り まとめ
- 家庭用米麹は鍋ひとつで出来るくらい簡単
- 温度管理は大雑把でも大丈夫
- 初心者には麹菌多めがおすすめ
- 手でも揉みこまなくても麹菌は増える
- 塩麹を作る際の水の量は過多注意。少なめの水で発酵開始し、途中様子を見て追加。
塩麹が出来たら絶対に作って欲しいのが「鶏ハム」!茹で汁でラーメンもできます。