※更新(2019/03/17)
家庭で味醂を作る際、不可飲処理をしないと、出来上がりが本みりん(酒扱い)となり酒税法に違反してしまうので気をつけて下さい。このサイトでご紹介している味醂は酒税法に違反しないように、作成時に塩(液量の2%)を入れて不可飲処理をした塩味醂です。これ以降の「味醂」というワードは「塩味醂」と置き換えて読んで下さい。
味醂(塩味醂)は醤油や味噌に比べ、比較的家庭で作りやすい調味料だと感じています。
しかも、近所のスーパーで市販されている味醂とは比べ物にならない使用感。手作り味醂があれば、煮物も麺つゆも確実にグレードアップするのです。
しかし。私にとって大きなネックだったのは・・・
搾り作業
要領が掴めず、あらゆるボールとザルを駆使。それでも垂れる極上味醂に机も手もベトベト。
絞りにもろ過にも、半日がかりという時間効率の悪さ。手間もすげえ。(過去リンク参照)
↑このような状態に、長らく味醂絞りを後回しにし、渋々スーパーで市販品を購入する・・・という状態だったのですが・・・・
簡易的な搾り方を発見し、半年ほど試してみました。家事の合間にできる、持続可能な方法だったのでご紹介します(*´∀`*)
もくじ
絞り方
鍋やボールにザルをセットします。目の細かさはどうでもいいです。
ザルに、さらし・三角コーナーの袋?等をかけます。おすすめはさらしです。目はある程度細かいほうがいいですが、いきなりのコーヒーフィルターだけは絶対におすすめしません。
さらしは確実です。コーヒーフィルターは目が細かすぎて詰まって、全く落ちない。排水口ネットの伸びるやつは強度的にも、目の粗さ的にも不向きだと思います。
出来上がった味醂をザルに注ぎます。
今回は上澄みだけでなく、お米たっぷり味醂粕なので時間がかかりそうです。
このように自重で味醂が染み出てきますので、しばらく放置します。鍋の蓋やボールをかぶせて異物混入を防いでおきます。長丁場になるので、ホコリや虫対策。
一晩くらいはこのまま放置しておいて、翌朝に重しをかけることにしています。
それをこれまで使っていたザルの上に置き、ザルと同じ大きさのボールを重ね、重しをかけます。重さは適当で、漬物石でも保存瓶でも、その辺にあるものをのせています。
更に、放置すること1日〜3日くらい。味噌くらいの硬さになったら終了です。
これだけしっかり沈殿すると、瓶を傾けてもそんなに濁らないです。
簡易的な搾り方の特徴
時間はかかるけど、手間いらず
はじめに、この搾り方は「日常的に自家製味醂を使うための搾り方」です。
貴重な休日を利用して「いざ!」と行うのではありません。「今日、味醂搾るから子供見ててね!」と夫と子供のふれあいタイムを強制して絞るのでもありません。
朝、お弁当や朝食の準備と並行して「ちょっと仕掛けておく」というやり方です。
出掛けたり、他の家事をしている間は放置です。数日掛かるけれど、洗い物も少なく、手間は掛からないやり方です。
透明度は低め、使い方によっては追加濾過も必要
味醂を搾ると、どうしても濁りが出ます。そして、搾り以上に濾過に時間がかかります。けれど、何度も濾過をしなくても、濁った味醂を放置しておけば、勝手に濁り成分(味醂粕)が沈殿して2層の味醂になります。
この沈殿物は簡単に混ざり、瓶を動かせばまた濁ります。
なので、味醂の保存瓶は極力動かさず、使う時に「そ〜っと」注げばいいのです。
上澄みの味醂を使うことができます。多少、粕は混ざります。しかし上澄みの部分ですから、粕がとっても気になるってこともないのです。(※感じ方には個人差はあります)
そして、下の粕の多い部分は「多少舌触りに難があっても気にならない様な料理」に使えばいいと思います。「ニラ玉」とか「どら焼き」とか。私は「芋系の煮物」にも使います。
要は適当な料理を選べばいいのです。味醂のために(・∀・)
徹底的に搾ろうと思うと嫌になる
「1滴も無駄にしたくない!!」という思いで圧をかけ、人力をかけ、用具を使い、洗い、という苦労を捨てました。
「もうちょっと出そうだけどな・・・」くらいで諦めます。
味醂成分がたっぷりの味醂粕を美味しく頂けるように試しています。
※追記2019/12/12
やはりもったいないと思い・・・追加で漬物器で圧搾してみました。(醤油です)
すると、結構出る・・・
下に溜まった醤油を保存瓶に移したり、醤油粕をひっくり返したりと小さな手間が増えますが、追加で300cc程度は取れました。
今後は、仕上げの漬物器圧搾をしようと思います。ある程度水分の抜けた絞り粕なら、さらしに包んだまま絞れそうです。(味醂は未確認)
味醂粕の利用法
味醂粕はレジスタントプロテインという食物繊維に煮たタンパク質が多く含まれ、コレステロールの排出や便秘解消にも良いそうです。
良いそうです・・・という書き方にしたのは、効果を感じるまで継続して味醂粕を食べていないからです。そこまでの量は出ません。搾るのは2ヶ月に1度くらいなもんですから。
味醂同様、煮崩れを防いだり、臭みを消したり出来るので、そのまま捨てることのないように!!
とは言え、自信をもってオススメ出来る利用法は「味醂粕漬け」だけで、まだ試行錯誤中です。途中経過をお伝えしましょう。
クッキー
まだ、レシピ掲載しません。なぜなら、上手くいっていないから。敗因は味醂粕の水分量。大体のレシピってきっと「カラッカラ」状態の味醂粕の量を書いているのでしょう。こちら、味噌以上にしっとりした粕ですから、水分が多かったのでしょう。
上記写真の材料はこちらです。
- 薄力粉
- 味醂粕
- オリーブオイル
- 塩
砂糖がなくても味醂粕メインなら、十分甘いです。味は好きなんですよ!この先の味醂粕の利用法としてはかなり有力候補です。
バターと砂糖のクッキーではなく、「味醂のクッキー」ですから、ダイレクトな甘みではなく、なんというか複雑な甘み。一般的なクッキーと思って食べたら「これ、クッキー?」となるんじゃないかな。ナッツやレーズンを入れると初めてでも食べやすいかと。
味醂粕漬け
写真の人参は味醂粕漬け。お好みの野菜や肉、魚を漬けると幸せを感じられます。
漬け物は塩辛い味ではなく、優しい甘みを纏う塩辛さです。子供は「え?」って顔をしていました。経験的に、漬け物=しょっぱいなので仕方ありません。食べないことはありません、食べ慣れていないだけです。
肉やきゅうりの漬け時間はいつも一晩。人参はそのまま漬けるなら、2日くらいは必要です。
味醂粕:味噌=1:1で混ぜたら粕床の完成。
肉は毎回漬けます。豚も鶏も絶品!鶏は是非グリルで焼いて見て下さい!
焼き物はしっかり粕を落としてから、焼くのが大切です。さらしで巻いてから漬けると、粕を落とすのが楽です。鶏もも肉は、肉の凹凸に入り込むので、水でサラッと洗ってしまっています。排水口ネットが即交換になるくらい、詰まる。
◯注意事項◯
めちゃくちゃ、焦げやすい!
しっかり粕を落としても、中まで火を通そうと奮闘している間に焦げ・・・。対策としては、面倒くさがらずにアルミホイルをかけるでしょうか。
その他 まだ試していないけれど・・
- 甘酒風に飲む
- ケーキ
- クリームチーズ風に食べる
- トーストに塗る
等、有ります。
おまけ 醤油は、放置搾り+フィルターろ過で
味醂と並んで、搾るのが大変で仕込みっぱなし・・・なのが醤油です。が、醤油も同じ方法で搾るようになりハードルがぐんと下がりました。
搾った醤油は火入れします。
濁った醤油はこの後、コーヒーフィルターで濾しています。時間はすごくかかりますが、場合によっては必要な工程だと思います。醤油の状態によっては、澱が殆ど無くそのまま使えることもあります。
美味しい醤油が染みこんだフィルターが大量に出て、勿体無いのでこのフィルターでクリームチーズを包んで置いた所、超絶品おつまみになりました。
のんびり搾って、火入れして。700ccくらいとれたかな。生醤油の状態で500ccくらい使いました。
もちろん、醤油の搾りかすもおいしく利用します。
まとめ
- 時間がかかっても、手間がかからない搾り方は、日常的に自家製味醂を使う場合におすすめ。
- 仕込み全量を一気に絞るより、少量に分けて搾ったほうが楽ちん。
- 味醂粕はコレステロール対策、便秘対策によいらしい。
- 味醂粕は1:1の味噌と合わせて、漬け床にすると間違いない。他の利用方法も無限の可能性有り。
- 醤油はこの方法に加え、フィルターろ過がおすすめ。