2019年・・・最後の出産を終えた私あさかわだ、今年こそはと大豆を10kg注文。今年は醤油を仕込みまくる!
今シーズンは、醤油の仕込みにおける「豆麹」の研究をしようじゃないですか。持続可能なMy醤油を目指し、家庭で作りやすい量や道具、気をつけポイントなどを追求します。10kgあるので10回は仕込みたい!
この記事は2019年度1回目の醤油作成の記事です。
※これから醤油を作る方、作り方を知りたい方はこちら(2018年度)もご参考ください
もくじ
ポイント① 醤油用麹菌 or 長白菌
長白菌を使用しての醤油を作ったこともありますが、今回は醤油用麹菌を使用しました。麹菌の種類は結構味に影響があると推測しています。一度でははっきりしないので、今シーズンも長白菌使用を作る予定です。が、今回は醤油用麹で。初回ですからね!
材料
- 大豆(タマフクラ) 1kg
- 強力粉 200g
- 醤油用種麹菌 13g(10gいれようとして13g入った)
- 塩 500g
- 水 2L
塩はシママース、水はペットボトルの物を使いました。大豆と麹菌以外はシーズンを通して同じ物を使用予定です。
仕込み量について
家庭で豆麹を作るのに丁度の良い量はどのくらいでしょう。今回は1kgの大豆を仕込んでみました。
ポイント② 鍋はどんなものがいいか 圧力鍋or普通鍋
今回使用した鍋:圧力鍋 6L
大豆はたっぷり一晩浸水した後、圧力鍋で1時間程加圧、ピンが下がるまで放置します。そうすると、大豆は煮崩れる直前まで柔らかくなります。
この茹でる作業が一番面倒だと、私は感じているのです。
なぜなら・・・
①吹きこぼれるから
②圧力鍋だと数回に分けて茹でなければならない
③ピンのところに薄皮が詰まり、なんだか怖いので近くで見ていなければならない
初戦なので、これまでどおり圧力鍋を選びました。大鍋だと長時間かかるものの一度で済むでしょう。そして吹きこぼれもマシだと思うのです。
さてどちらに軍配が上がるのでしょう。
浸水〜茹で上がり
今回の大豆は道の駅で出会ったタマフクラ(極大粒)を使用。茹で上がりを食べてみたら、味の濃い美味しいお豆さんでした。
たっぷりの水に一晩浸けておきます。(この日はおよそ20時半〜翌17時)
圧力鍋で加圧60分、ピンが下がるまで(およそ10分)放置します。
我が家の圧力鍋だと2回に分けて茹でるので計140分。途中に蒸気の出るところが詰まったり、吹きこぼれを拭くために一度火からおろしたりするので、もっとかかりました。
親指と小指でつまむと力を入れずにぐにゃっと潰れるくらい、煮崩れる直前まで茹でます。
ガスコンロで大豆を煮るのは初めてでした。吹きこぼれと飛び散りの処理がIH以上に超面倒。IHの時は拭くだけだったので簡単でしたが、ガスコンロはそうは行きません五徳の周りに入り込むし面倒です。面倒って2回言いました、本当に面倒です。
鍋に鉢巻のようにタオルを巻くやり方がありますが、ガスコンロだとずり落ちた時に火災の危険性があるので出来ません。とは言え、びしゃびしゃになるので拭き取りの為に付きっきり体制。
茹で上がったら、静かにざるに開け、しばらく水を切ります。なるべく水気を切って傷み予防です。
水が切れ、大豆の中心温度が50度以下になったら強力粉と種麹を合わせます。菌が死ぬのが怖いので念のため40度くらいまで待ちました。この時期の我が家の洗面所は最強に寒いのですぐ冷えました。
この時は強力粉・種麹を別にふりかけてしまいました。先に粉同士を合わせて、一度に混ぜたほうがムラなくできて無難です。何度も捏ねくり回すと傷みの原因になるし、ひきわり納豆みたいな豆麹になってしまいます。
ここまではいつもどおりの出来です。しかし、タマフクラちゃんはデカイ。
ポイント③ 加温方法 エントリーNO.1 米袋
一昨年前の作成時の様子です。バットに入れこたつ庫内で加温しました。
が、今回はこちら米袋を使用!そして、電気毛布を使用!
この、買ってきたばかりの新品の米袋(10kg用)に、先ほどの大豆を投入します。アルコールスプレーなどはしませんでした。
広さ的には少し余裕が有ります。
子供たちにいたずらされない場所で、椅子を広げ、毛布をセット。
その上に電気毛布を置き、米袋をセット。(口は軽く閉じてスタート)
まずは加温なので、電気毛布の電源も入れます。
毛布で軽く包みます。
この後は、大豆自体が発熱してくるまで、温度と湿度を調整する為に「毛布を開け閉め」「電気毛布の電源オン・オフ」「袋の口を開け閉め」しました。
ポイント④ 加温・保温の様子
このポイント④は菌を撒いた後の品温、匂い、見た目、気づいたこと等を記録していきます。いわゆる覚書で、比較実験の対象ではありません。
時刻・時間はおよそで記録しています。
作業内容 | 品温 | 気づいたこと | 処置 | |
11/10 22:00 | 盛り込み開始 | 40℃以下 |
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11/11 00:00 | 23℃ | |||
11/11 05:50 | 32℃ | 袋の上25℃くらい |
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11/11 11:30 | 手入れ1(袋を開けて換気、閉めて振る) | 未計測だが、全然高くない | 温度不足
湿気がすごく高い 麹の匂いとはちがう、甘い匂いがほのかにある。始まりの時の匂い。(大豆臭) |
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11/11 15:50 | 32℃ | 自ら発熱しているかは微妙なところ |
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11/11 21:00 | 32℃ | 手をかざすとうっすら発熱が感じられる。 |
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11/11 24:00 | 32℃ |
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一晩寝ている間、大豆と麹菌の独特な匂いに長男頭痛 |
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11/12 06:30 | 手入れ2
※袋の中に手を入れ、かき混ぜる。また団子状に固まってしまったのでほぐす。 |
42℃超え |
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11/12 日中 |
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32℃くらい
(計測はせず、手をかざして確認するのみ) |
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気が向いた時に、袋の上から手をかざして温度、湿度の確認をして、適宜世話をする。 |
11/12 23:30 | 23℃ |
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袋に限界を感じる。破れそう
オーブンレンジを試用(以前米麹か何かで試したことがある) 備え付けの鉄板2枚をアルコール消毒して、直に豆麹を広げました。(写真は翌日のもの) 上下2段にして、扉を閉めました。発酵機能(30℃)を最初の20分だけ使用。 発熱が著しいので、蓋を閉めれば十分温度になりました。発酵機能は使わず、オーブンは箱として利用しているイメージ。 米袋よりも大豆を薄く広げられ、庫内の水気をこまめに拭き取ればよい環境と言えそうです。 ここでも課題は湿気です。 |
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11/14 朝 | 手入れ3
手袋をして、混ぜる |
未計測だが
程よい発熱 |
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11/14 夜 | 出麹 | 未計測だが
発熱落ち着く |
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写真だと色味が分かりづらいですが、緑色の胞子に覆われています。これにて出麹。
残念ながら匂いがやや納豆臭。この匂いはオーブンのドアを開けると解き放たれ、すぐに消えてしまう感じでした。なので、開けた瞬間が一番気になった。
開けて気になり、そのうち消えて、やっぱり大丈夫かも?と思う繰り返し。
発熱してからの麹菌の増え方が芳しくなかったような気がします。次はもう少し多くてもいいかもしれない。古い種麹だからかな?
ポイント⑤ 仕込み瓶の大きさ
果実酒瓶の大きさ
果実酒瓶が扱いやすいことは間違いありません。漬物樽や陶器の瓶+漬け物袋使用でやるより楽。櫂入れ(混ぜ作業)、保管、使用、どれをとってもビニール袋は開け閉めが最強に面倒くさいです。
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果実酒瓶は確実ですが、大きさが問題です。
小さい過ぎると2つに分けなければならない、大きすぎると余った部分の空気が心配。いつも瓶には悩みます。重たいし。適正な大きさはどれか。
今回はとりあえず、空いていた8L 瓶に仕込みました。絶対重いですが、時すでに夜でした。
仕込みの様子
直接瓶に水2Lと塩を500g入れます。蓋をしてフリフリします。
溶け切りはしませんが、水と塩を合わせて溶ける分だけは溶かしておきます。
できあがった豆麹を入れ、優しく振ります。豆を一旦沈めるようなイメージです。実際には沈みません。
8Lだとでかすぎるという結果。分かりきっていましたが・・・。この空いた分のスペースに不都合なこと(カビ等)が起こらなければ良いのですが。
まとめ
- 圧力鍋+ガスコンロは吹きこぼれの処理が大変
- 米袋は湿気対策が必要
- 保温段階のオーブンレンジは有効
- 温度と湿度の調整を怠ると納豆菌が増殖してしまう(?)
- 1kgの大豆に対して8Lの瓶は大きすぎる
- 次回は種麹をもう少し多くしてみる
その後(都度追記していきます)
本来であれば、数日おきに櫂入れ(かき混ぜて酸素の補給など)をするのだと思います。
私は気が向いた時に瓶を逆さまにしたり、注ぎ口を開けて空気の入れ替えをしたり、振ったりしています。
出来上がり ※2020年12月頃予定
◯醤油シリーズ◯