醤油

家庭での醤油の絞り方5つと濾過方法【醤油粕の利用もあります】

2021年2月5日

こんにちは、自家製ギーク主婦あさかわだです。醤油づくりを楽しんでいますか?

発酵・熟成が終わったら「圧搾」をします。諸味を絞って、液体と個体に分ける作業です。

この記事では「家庭での醤油の絞り方5つ」をシェアします。また関連してくる澱引き・濾過・火入れについても触れます。

家庭での醤油づくりの工程はこちら

  1. 製麹
  2. 仕込み(発酵・熟成)
  3. 圧搾  ←今ココ
  4. 生垽の濾過
  5. 火入れ
  6. 清澄・おり引き
  7. 濾過

ただ搾るだけなんです。なのに、家庭においてはこの「圧搾」こそが悩ましい作業ではないでしょうか。

これぞ!!という気持ちの良い絞り方にたどり着けないのです。

  • 一度にたくさん搾りたい
  • 醤油がしぼりきれずもったいない。
  • 圧をかける特別な道具(フネ)などはない
  • コーヒーフィルターを使うとすぐに目詰まりする
  • 絞り袋やさらしに染み込んだ醤油がもったいない

工場のように専用の機械はありません。でも、折角作った大切なお醤油ですから「一滴でも多く搾りたい」のです。

最終搾りで、追加50mlをゲット。

まだまだ研究途中ですが、絞り方それぞれの特徴が見えてきました。

出来上がりの(質)を求めるか(作業効率)を求めるのか、状況によって最適な絞り方は変わってきます。

いくつかの絞り方を組み合わせてみてください。

この記事でシェアする醤油の絞り方はすべて、家庭の台所で搾ることを前提としています。

家庭での醤油の絞り方

  • ざるで液体分離
  • ざるとさらしの自重絞り
  • おもしで圧搾
  • 漬け物器の圧搾
  • コーヒーフィルターでの濾過

他にも袋に入れて吊るしたり、専用の機械を作る方法もありますが、今回は省略します。(すぐ出来ないから)

①ざるで液体分離

重力を利用して諸味から醤油を分離します。

  1. バケツやボールにざるをのせる
  2. 諸味を入れる
  3. 自然に液体と固体に分かれるのを待つ
  4. 醤油の垂れる量が少なくなったら、スプーン等でそっと混ぜる
  5. 分離した醤油は②や⑤の濾過作業をする

多量の諸味を一度に絞りたい場合、この分離を行うと圧搾がスムーズになります。

分離した醤油は油分と不純物がたっぷり入っている

とれた醤油は濾過が必要です。火入れの前後どちらでも良いです。どちらもやるのが一番丁寧丁寧。

②ざるとさらしの自重絞り

①と同じく自重で液体を分離し、さらしで濾過します。(諸味も液体もできます)

  1. バケツやボールにざるをのせる
  2. さらしを十字に敷く(または醤油絞り袋を利用する)
  3. 諸味又は醤油を入れる
  4. 自然に液体と固体に分かれるのを待つ(自重で分離)
  5. 液体濾過の場合は、目詰まりしていたらスプーンでこそぐ

①で分離した醤油の方。さらし濾過で生澱を減少させます。

①で分離した諸味。表面に残っている水分を落とします。

この方法の難点は「水分量が多い諸味には適さない」というところです。即刻目詰まりを起こし、液体分離すら進みません。

当ブログで推奨している「1kgの大豆・2Lの水」で仕込んだ諸味全量だと一晩経っても醤油が落ちません。

なので、多量なら①の液体分離してからがいいです。

4Lの果実酒瓶満タン量、一気に行くと即詰まる

3分の1量〜半量くらい(諸味1L〜1.5Lくらいかな?)なら何とかなるので、少ない場合は②からのスタートでも大丈夫。

この方法で濾過した醤油も生澱を含みます。が、そのまま火入れをしても大丈夫な量です。

さらし濾過後。生澱は大体取れた感じがします。

  • 少量絞りにおすすめ。目詰まりしやすいので、水分の多い諸味には向かない
  • 諸味はまだまだ醤油があります▶▶▶③おもしで圧搾へ

③おもしで圧搾

②ざるとさらしの自重絞りで目に見える水分が抜けたら、おもしを乗せて軽い圧搾をします。

  1. 諸味がはみ出してこないように、さらしを巻く
  2. 板や漬物用の内蓋を置く
  3. 重しを乗せる

キツめに巻きます

ぎゅっと押し込みたくなるけれど、初めは我慢。急に圧をかけると目詰まりしてしまいます。

おもしは何キロでも良いです。ただ、あまり重いとバランスを崩してゴロンと落ちた時がちょっと危険。(子供注意です)

一晩経ったら、体重をかけたり、諸味をもっと小さくまとめたりして更なる圧搾をしてもOK。メーカーはtの重さをかけますから、3kg+体重なんて可愛いもんです。

ただし、ゆっくり圧をかけるのが濁らせないポイントです。

ゆっくり圧を増やしていくと、濁りにくいです。

この醤油は、火入れ後に「火入れ澱」と一緒にまとめて澱引きするのがおすすめです。

※火入れすると、新たに澱が生成されます(火入れ澱)

 

  • ※火入れ→加熱処理
  • ※生揚げ醤油→火入れしない生の醤油

④漬け物器で圧搾

諸味をさらしの袋に入れ、漬物器で圧搾します。③で人力圧搾をした諸味なら、機械の圧をかけても濁りません。

  1. 漬け物器の中になにか台になるものを入れる
  2. ③で搾った諸味を台の上にのせ、圧をかける
  3. 時々様子を見て、追加で圧をかける

思う存分圧をかけていきます。少しずつ染み出してきます。

醤油が溜まってきたら、清潔な瓶に移します。

気づいたら溜まっている

これを諸味から醤油が出なくなるまで繰り返します。3日〜5日くらいを覚悟して、搾り続けます。

写真の瓶を2.5個分搾れました。こちらは火入れをしない「生揚げ醤油」として楽しんでいます。

⑤コーヒーフィルターでの濾過

身近にあって一番目が細かいのがコーヒーフィルターではないでしょうか。醤油の搾り方としてもメジャーだと思います。

  1. コーヒーを入れるようにフィルターをセットする
  2. もろみ、醤油などを入れる
  3. 時折フィルターを交換したり、目詰まりをこそいだりする

諸味を直接のせて醤油を濾過する

超目詰まりします。濾過スピードがめちゃくちゃ遅いです。

圧搾がしづらいので、醤油粕にはたっぷり醤油が残ってしまいます。

この醤油粕は、野菜炒めの味付けなどに使えます。

一晩かかったけど60mlくらい取れた

液体を濾過する

液体の濾過は、初めはスムーズですが、5分もすると目詰まりします。

さらし濾過した醤油・静置した醤油の上澄みならスムーズです。ただし、少量ずつに分けての作業です。

搾りフルコースの醤油

目詰まりはどうしてもするので、フィルター交換は必要です。へばりついた不純物を取ると、多少流れがよくなります。

でも破けないように気をつけて。折角濾過した醤油に、濁り醤油が混じり・・・なんとやり直しです。

あと、大量のフィルター問題には頭がいたいままです。

染み込んだ醤油がもったいない。煮出したくなる。

左前▶生揚げのフィルター処理  右奥のペットボトル▶火入れのフィルター処理

①〜③まで丁寧に圧搾▶火入れ▶静置をして澱引き▶フィルター濾過、とフルコースで仕上げた醤油が「家庭醤油の最高品質」だと思います。

  • 静置した醤油の上澄みならスムーズ
  • フィルター濾過した醤油は透き通っている
  • 時間がかかる
  • 目詰まりしやすい

火入れについて

生揚げ醤油を「加熱処理」をすると「火入れ醤油」になります。一般的に流通している醤油は「火入れ醤油」が多いです。

火入れの仕方はメーカーによって様々ですが、85度で30分を目安に行うと良いと思います。

火入れの目的は次の通りです。

  • 殺菌・酵素の失活(保存が効くようになる)
  • 醤油らしい香ばしい香りになる(火香)
  • 色が濃くなる
  • 火入れ澱の生成(火入れ後、澱引きや濾過で除去する)

鍋で直火、瓶詰めの湯煎、それこそ色々なやり方があります。60度で数日、など時間も様々です。

静置・澱引きについて

生揚げ醤油にも火入れ醤油にも、不純物が含まれています。(主にタンパク質)

この不純物は放っておくと下に沈んだり、油と一緒に浮いたりします。

瓶底に沈殿している

油と浮いている

ボトルを傾けると簡単に液体と混ざり、濁りの原因となります。香りも味もよくありません。

これを取り除く作業が「澱引き」といわれる作業です。

  1. 静置する(数日)
  2. 澱が底に沈む(分離)
  3. 上澄みを使う

又はコーヒーフィルター濾過でも取り除くことが出来ます。(時間はかかる)

火入れ→静置→フィルター濾過

家庭での澱引きは「静置後、どうやって上澄みを取り出すか」が問題です。

 

底から数センチ上に蛇口が付いているジャグを使ってみました。

▶▶▶自家製醤油づくり 火入れ後の清澄・おり引きの方法 【ウォータージャグ】

醤油粕・濾布の利用

醤油メーカーがtの圧力で絞ると、醤油の旨味全く残らない粕になるそうです。(堆肥等に利用されるか廃棄)

家庭の絞りだと、まだ醤油の成分が残っているので、これを利用してから廃棄しましょう。

醤油粕漬(野菜・肉・チーズ)

最高に美味しいと思うのはきゅうりの漬物です。

醤油粕をタッパや袋に入れ、胡瓜やカブを埋めておきます。数日でそれはおいしい醤油粕漬けになります。

醤油絞りに使ったさらしをキツく巻いておくだけでも漬かります。

子供が大好き

2〜3回使うと、乳酸発酵も進み酸っぱくなります。水分量も増え雑菌の繁殖も心配なので、いいトコでさよならします。

肉も漬けられます。味噌漬けの要領で、さらしを一枚挟んで付けると粕の処理が楽です。焦げやすいので気をつけて。

※肉を漬けた床では絶対野菜やチーズを漬けないでください。

カビチーズ食べられる人には絶対おすすめ。

チーズは濾布やフィルターで漬けることをオススメします。

クリームチーズはカマンベールチーズのような発酵感と塩気をまとい、珍味。お酒のお供に最高です。話のタネにも。

炒めもの・汁物

まだ、汁気の多い搾り粕は料理に使えます。

でも正直言って、上の漬物のようには「美味しいよ!」と言えません。好みによりけり。

<チャーハン>

豚こま肉を醤油粕で炒めて、チャーハンに。これは普通に美味しかった。

<ラーメン>

醤油粕をほぼ鶏がらスープ(青ネギ入)で割って、ごま油やラー油を垂らす。

ほぼ鶏がらスープは鶏ハムの煮汁

醤油粕の消費目的なら食べられるけど、普通のラーメンスープの方が美味しい。香りがツンと・・・あ、納豆の香りがしました。正直に。

火入れ澱が生成されましたが、そのままいっちゃいました。

醤油粕のレシピはちょいちょいネット検索できます。大量消費に向くもの、味に納得できるものは未発見です。

なんとか消費するっていう感じ。そうなると、もう一滴もでない限界まで絞り取りたいよね、圧搾で。

絞りの目安は

醤油がどんな状態になったら絞りましょうか?

答え:割といつでも良いです。

仕込みから1年2ヶ月の諸味。発酵は完了しているけれどまだ茶色が淡い。

  • 舐めてみて旨い
  • 10ヶ月はおいたほうが良い(〜2年までは放置経験あり)
  • 絞る前の醤油は独特の香り。麹臭?フルーティ。
  • 豆の粒は見られる。でも簡単に粉々になる

6ヶ月ほどで醸造を完了するメーカーもあるのですが、自家製醤油の場合は半年だと未成熟だと思います。

麹のできや温度管理等で変わって来ますが1年くらいはかかるでしょう。熟成の期間が長いと、色が濃くなります。

若い醤油、ガッツリ熟成醤油、それぞれ楽しんでもいいですし、ブレンドも面白いと思います。

まとめ 醤油の絞り方

<家庭最上級火入れ醤油なら>

  1. ざるで液体分離(①)
  2. 分離した液体のさらし濾過(②)
  3. 分離した諸味のさらし濾過・おもし圧搾(②・③)
  4. 3を火入れ
  5. 静置・澱引き
  6. コーヒーフィルター濾過(⑤)

<簡単重視の火入れ醤油なら>

  1. 少量500gの諸味を、さらし濾過・おもし圧搾(②・③)
  2. 1の醤油を火入れ
  3. 静置して上澄みを少しずつ使う
  4. 澱の多い液のときだけコーヒーフィルター濾過(⑤)

<生揚げ醤油なら>

  1. おもし圧搾が終わった搾り粕を漬け物器で圧搾(④)
  2. そのまま楽しむorコーヒーフィルター圧搾

※少量で急がないなら諸味直接コーヒーフィルター濾過でも!

参考図書

勉強に使っている本やサイトの一部をご紹介します

最後まで読んでいただきありがとうございました!

今後火入れ・澱引き・濾布についてなどを書いていこうと思います。チェックの程どうぞよろしくおねがいします。

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