こんにちは、自家製ギーク主婦あさかわだです。醤油づくりを楽しんでいますか?
発酵・熟成が終わったら「圧搾」をします。諸味を絞って、液体と個体に分ける作業です。
この記事では「家庭での醤油の絞り方5つ」をシェアします。また関連してくる澱引き・濾過・火入れについても触れます。
家庭での醤油づくりの工程はこちら |
ただ搾るだけなんです。なのに、家庭においてはこの「圧搾」こそが悩ましい作業ではないでしょうか。
これぞ!!という気持ちの良い絞り方にたどり着けないのです。
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工場のように専用の機械はありません。でも、折角作った大切なお醤油ですから「一滴でも多く搾りたい」のです。
まだまだ研究途中ですが、絞り方それぞれの特徴が見えてきました。
出来上がりの(質)を求めるか(作業効率)を求めるのか、状況によって最適な絞り方は変わってきます。
いくつかの絞り方を組み合わせてみてください。
この記事でシェアする醤油の絞り方はすべて、家庭の台所で搾ることを前提としています。
もくじ
家庭での醤油の絞り方
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他にも袋に入れて吊るしたり、専用の機械を作る方法もありますが、今回は省略します。(すぐ出来ないから)
①ざるで液体分離
重力を利用して諸味から醤油を分離します。
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多量の諸味を一度に絞りたい場合、この分離を行うと圧搾がスムーズになります。
とれた醤油は濾過が必要です。火入れの前後どちらでも良いです。どちらもやるのが一番丁寧丁寧。
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②ざるとさらしの自重絞り
①と同じく自重で液体を分離し、さらしで濾過します。(諸味も液体もできます)
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この方法の難点は「水分量が多い諸味には適さない」というところです。即刻目詰まりを起こし、液体分離すら進みません。
当ブログで推奨している「1kgの大豆・2Lの水」で仕込んだ諸味全量だと一晩経っても醤油が落ちません。
なので、多量なら①の液体分離してからがいいです。
3分の1量〜半量くらい(諸味1L〜1.5Lくらいかな?)なら何とかなるので、少ない場合は②からのスタートでも大丈夫。
この方法で濾過した醤油も生澱を含みます。が、そのまま火入れをしても大丈夫な量です。
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③おもしで圧搾
②ざるとさらしの自重絞りで目に見える水分が抜けたら、おもしを乗せて軽い圧搾をします。
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ぎゅっと押し込みたくなるけれど、初めは我慢。急に圧をかけると目詰まりしてしまいます。
おもしは何キロでも良いです。ただ、あまり重いとバランスを崩してゴロンと落ちた時がちょっと危険。(子供注意です)
一晩経ったら、体重をかけたり、諸味をもっと小さくまとめたりして更なる圧搾をしてもOK。メーカーはtの重さをかけますから、3kg+体重なんて可愛いもんです。
ただし、ゆっくり圧をかけるのが濁らせないポイントです。
この醤油は、火入れ後に「火入れ澱」と一緒にまとめて澱引きするのがおすすめです。
※火入れすると、新たに澱が生成されます(火入れ澱)
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④漬け物器で圧搾
諸味をさらしの袋に入れ、漬物器で圧搾します。③で人力圧搾をした諸味なら、機械の圧をかけても濁りません。
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思う存分圧をかけていきます。少しずつ染み出してきます。
醤油が溜まってきたら、清潔な瓶に移します。
これを諸味から醤油が出なくなるまで繰り返します。3日〜5日くらいを覚悟して、搾り続けます。
写真の瓶を2.5個分搾れました。こちらは火入れをしない「生揚げ醤油」として楽しんでいます。
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⑤コーヒーフィルターでの濾過
身近にあって一番目が細かいのがコーヒーフィルターではないでしょうか。醤油の搾り方としてもメジャーだと思います。
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諸味を直接のせて醤油を濾過する
超目詰まりします。濾過スピードがめちゃくちゃ遅いです。
圧搾がしづらいので、醤油粕にはたっぷり醤油が残ってしまいます。
この醤油粕は、野菜炒めの味付けなどに使えます。
液体を濾過する
液体の濾過は、初めはスムーズですが、5分もすると目詰まりします。
さらし濾過した醤油・静置した醤油の上澄みならスムーズです。ただし、少量ずつに分けての作業です。
目詰まりはどうしてもするので、フィルター交換は必要です。へばりついた不純物を取ると、多少流れがよくなります。
でも破けないように気をつけて。折角濾過した醤油に、濁り醤油が混じり・・・なんとやり直しです。
あと、大量のフィルター問題には頭がいたいままです。
①〜③まで丁寧に圧搾▶火入れ▶静置をして澱引き▶フィルター濾過、とフルコースで仕上げた醤油が「家庭醤油の最高品質」だと思います。
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火入れについて
生揚げ醤油を「加熱処理」をすると「火入れ醤油」になります。一般的に流通している醤油は「火入れ醤油」が多いです。
火入れの仕方はメーカーによって様々ですが、85度で30分を目安に行うと良いと思います。
火入れの目的は次の通りです。
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鍋で直火、瓶詰めの湯煎、それこそ色々なやり方があります。60度で数日、など時間も様々です。
静置・澱引きについて
生揚げ醤油にも火入れ醤油にも、不純物が含まれています。(主にタンパク質)
この不純物は放っておくと下に沈んだり、油と一緒に浮いたりします。
ボトルを傾けると簡単に液体と混ざり、濁りの原因となります。香りも味もよくありません。
これを取り除く作業が「澱引き」といわれる作業です。
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又はコーヒーフィルター濾過でも取り除くことが出来ます。(時間はかかる)
家庭での澱引きは「静置後、どうやって上澄みを取り出すか」が問題です。
底から数センチ上に蛇口が付いているジャグを使ってみました。
▶▶▶自家製醤油づくり 火入れ後の清澄・おり引きの方法 【ウォータージャグ】
醤油粕・濾布の利用
醤油メーカーがtの圧力で絞ると、醤油の旨味全く残らない粕になるそうです。(堆肥等に利用されるか廃棄)
家庭の絞りだと、まだ醤油の成分が残っているので、これを利用してから廃棄しましょう。
醤油粕漬(野菜・肉・チーズ)
最高に美味しいと思うのはきゅうりの漬物です。
醤油粕をタッパや袋に入れ、胡瓜やカブを埋めておきます。数日でそれはおいしい醤油粕漬けになります。
醤油絞りに使ったさらしをキツく巻いておくだけでも漬かります。
2〜3回使うと、乳酸発酵も進み酸っぱくなります。水分量も増え雑菌の繁殖も心配なので、いいトコでさよならします。
肉も漬けられます。味噌漬けの要領で、さらしを一枚挟んで付けると粕の処理が楽です。焦げやすいので気をつけて。
※肉を漬けた床では絶対野菜やチーズを漬けないでください。
チーズは濾布やフィルターで漬けることをオススメします。
クリームチーズはカマンベールチーズのような発酵感と塩気をまとい、珍味。お酒のお供に最高です。話のタネにも。
炒めもの・汁物
まだ、汁気の多い搾り粕は料理に使えます。
でも正直言って、上の漬物のようには「美味しいよ!」と言えません。好みによりけり。
<チャーハン>
豚こま肉を醤油粕で炒めて、チャーハンに。これは普通に美味しかった。
<ラーメン>
醤油粕をほぼ鶏がらスープ(青ネギ入)で割って、ごま油やラー油を垂らす。
醤油粕の消費目的なら食べられるけど、普通のラーメンスープの方が美味しい。香りがツンと・・・あ、納豆の香りがしました。正直に。
醤油粕のレシピはちょいちょいネット検索できます。大量消費に向くもの、味に納得できるものは未発見です。
なんとか消費するっていう感じ。そうなると、もう一滴もでない限界まで絞り取りたいよね、圧搾で。
絞りの目安は
醤油がどんな状態になったら絞りましょうか?
答え:割といつでも良いです。
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6ヶ月ほどで醸造を完了するメーカーもあるのですが、自家製醤油の場合は半年だと未成熟だと思います。
麹のできや温度管理等で変わって来ますが1年くらいはかかるでしょう。熟成の期間が長いと、色が濃くなります。
若い醤油、ガッツリ熟成醤油、それぞれ楽しんでもいいですし、ブレンドも面白いと思います。
まとめ 醤油の絞り方
<家庭最上級火入れ醤油なら>
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<簡単重視の火入れ醤油なら>
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<生揚げ醤油なら>
※少量で急がないなら諸味直接コーヒーフィルター濾過でも! |
参考図書
勉強に使っている本やサイトの一部をご紹介します
- 発酵食品学 (KS農学専門書)/小泉 武夫(←本おすすめNo1)
- 「発酵」のことが一冊でまるごとわかる/齋藤 勝裕
- 醤油本/高橋万太郎
- 醤油・味噌・酢はすごい - 三大発酵調味料と日本/小泉 武夫人
- しょうゆのすべて/キッコーマン
- 醤油づくりのこだわり/湯浅醤油ホームページ(←HPおすすめ)
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今後火入れ・澱引き・濾布についてなどを書いていこうと思います。チェックの程どうぞよろしくおねがいします。
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